陶器の焼き方について
焼き物には、陶器と磁器の2種類に分かれていますが、大きな違いといえば使用されている材料が違います。
大まかにいうと、磁器は透明感がありシャープな器であるのに対し、陶器は粘土が原料なので使用する度に味が出て温かみを感じることが出来ます。
また、陶器は日頃の扱い方や周囲の環境に大きく影響をもたらすことから、「使い手の気持ちで育つ陶器」ともいわれています。色々な表情を見せる陶器ですが、どのような方法で焼いているのでしょうか。
陶芸の制作工程
陶芸は、〈土練り→成形→乾燥→削り→素焼き→施薬→本焼き〉という様々な段階を経て作られます。
陶芸の最終段階ともいわれる本焼きですが、この工程を行うにあたり、釉薬を施した器を1200度の高温で焼き上げます。窯入れから窯だしの間、数十時間もしくは数週間と時間のかかる作業のため、作り手は炎との戦いになるといえるでしょう。
作業をすべて終え、本焼きが終了したらいよいよ作品の完成になります。
焼き方の種類
最後の制作手順である本焼きには、「酸化焼成」と「還元焼成」の2種類の焼き方があります。
では、この2種類の方法には、どのような違いがあるのでしょうか。
〈酸化焼成〉
この方法は、十分な酸素がある状態で焼く方法になります。窯の中の火を完全燃焼させながら、徐々に温度を上げていくので、陶芸初心者の方でも簡単に行うことが出来ます。
また、酸化焼成は土の中の鉄分が酸化することから、暖色系の色になりやすいです。
焼き物が好きで興味のある方は、まず始めに酸化焼成から挑戦すると良いでしょう。
〈還元焼成〉
酸化焼成とは正反対で、酸素を不足させて焼く方法になります。
酸素が足りない状態で行われるため、化学反応によって含まれた金属成分が変化しやすく、色が変わる場合があります。
この焼き方は、燃料の種類や酸素の量など細かい知識が必要になるため、初心者の方にはあまりおすすめ出来ませんが、酸化焼成では感じることのない独特な風合いを出すことが可能です。
オリジナル性を高めたいという方は、還元焼成の焼き方に関する知識を学びマスターすると良いでしょう。