陶器と磁器の違い
意外と知られていない陶器と磁器の違い。
趣味で焼き物をしている方や集めている方でも、その違いについては詳しく分からないという方も多いはずです。 そんな方のため、陶器と磁器の違いについてご紹介していきたいと思います。
陶器と磁器の違い
《原材料の違い》
陶器は主に、土を使って焼いていきます。一方、磁器は石を砕いた粉を使って焼いていきます。
別名「土もの」「石もの」と呼ばれているのも、その原材料からきた呼び名です。
陶器は、カオリンを含まない粘土を低温で焼いていくのに対し、磁器は、長石を主成分としている磁土を高温で焼いていきます。長石は、ガラスになる成分と同様のため、長石を使用している磁器は吸水率が低く、光が通りやすくなっています。音も陶器と比べ、焼きしまった澄んだ音がします。
一方陶器は、磁器と比べ吸水率が高く、穴が開いているため光を通しません。
《焼き方の違い》
焼く温度は、陶器より磁器が100度ほど高い温度で焼成されていくのが一般的です。
その理由は、磁器には陶石が使用されているため耐火度が高いからです。
焼き方には、「酸化焼成」と「還元焼成」があります。
酸化焼成は、炎に対して空気の量を多く含むため、青っぽい炎になります。
一方還元焼成は、空気の量が少ないため、赤黒い炎になります。
陶器は、酸化焼成と還元焼成を使って焼成していくのに対し、磁器は、白い生地が特徴となるため、黄色く変色してしまう酸化焼成はほとんど使いません。ただし、釉薬を使用している場合は、酸化焼成を使うこともあります。
《完成度の違い》
原材料や焼き方の違いによって、陶器と磁器の完成度も大きく異なります。
陶器は、暖かい味わいになり、素朴な風合いになります。
一方磁器は、仕上がりが白くガラスのような滑らかな風合いになります。
陶器の代表的な製品は、土鍋で有名な「伊賀焼」、たぬきの置物で有名な「信楽焼き」、西洋ではデルフト焼きなども有名です。磁器は、一般的によく見られる「九谷焼」や骨董で有名な「伊万里」など、海外ではマイセンやリチャード・ジノリの製品、中国や韓国では、「青磁」や「白磁」と呼ばれる製品が有名です。
当店では、うつわを中心に茶器や酒器、花器などを取り扱っております。
こだわりの陶器を、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。